米Amazon.com傘下のAmazon Web Services(AWS)は11月28日、二つのブロックチェーンに関連する二つのサービスである”Amazon Managed Blockchain”と”Amazon Quantum ledger Database(QLBD)”を発表した。
Amazon Manages blockchainはユーザーがEthereum、HyperLedgerやCorda等を利用して、AWS上にブロックチェーンネットワークを構築・管理できるサービスだ。Amazon Managed Blockchainは数百万件のトランザクションを実行する数千のアプリケーションに対応してスケーリングする。また、ユーザーは数クリックのAPIコールでブロックチェーンネットワークを管理できる。
AWS ベースのブロックチェーンクラウドソリューションを使用すると、開発者は基盤となるブロックチェーンおよび追加のアプリケーションとの接続をワンクリックでデプロイし、数クリックで世界規模のノードにアプリケーションをデプロイできる。これにより開発コストや開発者の負担が各段減るという。
Amazon Quantum Ledger Databae(QLDB)はAmazon Managed Blockchainと連携するフルマネージド型台帳データベースで、改ざん不可能で透明性の高いデータベースだという。
もともとEthereum などでブロックチェ―ンアプリケーションを構築し、ある程度の規模のネットワークのノードを動かす際には、AWSなどのサーバーが不可欠であった。分散化アプリケーションを標榜するプロジェクトが、実際は従量課金のAWSにサーバー代を支払い続けるというブロックチェーン業界の不都合(?)な真実もあった。
今回の発表でアマゾンはフルスタックのブロックチェーンサービスの提供の準備が整ったといえる。またオラクルやIBMもすでにブロックチェーンサービスをリリースしており、他のIT大手や金融セクターもブロックチェーン技術の覇権をめぐって激しい競争を繰り広げている。
今までブロックチェーン業界では、「非中央集権」を標榜するスタートアップが、壮大で無責任なロードマップを描いてきたが、結局、人々が彼らのサービスを利用する事はなく、遅れてきた大企業達が業界のエコスステムを完成させつつある。