世界最大のブロックチェーン開発企業ConsenSysとは

イーサリウム上での分散型アプリケーションの開発の開発を手掛けるConsenSysは、2014年にニューヨークのブルックリンでジョセフ・ルービンにより設立され、現在従業員数1000名を超える世界最大のブロックチェーン企業に成長した。

 

ブロックチェーンを社会に広く浸透させる事をミッションとして掲げるConsenSysはLinkedInの発表した2018年版トップスタートアップ50にも選出されている。

 

ブロックチェーンをより身近なものに

 

これまで多くの業界の企業がブロックチェーンに関心を示してきたものの、その開発コストの高さから、実証実験に数年を費やしてきた。「ブロックチェーンの実証実験」のプレスリリースはもう聞き飽きたという人も少なくないだろう。

 

ConsenSys はそんな参入障壁を解消し、ブロックチェーン技術を実社会へと導入するため、今年5月、Amazonと共にEthereumベースの企業向けブロックチェーンプラットフォームサービス「Kaleido Blockchain Business Cloud」を発表した。

 

Kaleidoはイーサリアムブロックチェーンを搭載したブロックチェーンソフトウェアで、利用する企業はKaleidoの提供する各種ツールキットを用いる事により、独自のブロックチェーンを安全かつ平易に立ち上げ、運用する事が出来る。KaleidoはAWSの各種サービスとも連携するため、各企業のブロックチェーンの導入を促進するという。

 

 

Kaleidoの開発者であるスティーブ・チェルベニ氏は以下のように語る。

 

「ブロックチェーンの利用が簡易なものになららければ企業は投資が出来ず、また、われわれの社会はブロックチェーンの重要な可能性を実現するのに遅れてしまう。われわれは新しいユーザー体験とツールによって、Kaleidoプラットフォームを設計し、企業の採用過程を大幅に簡略化した。このオールインワンのブロックチェーン・ビジネス・クラウドは企業ブロックチェーン・プロジェクトの経済方程式を変革する。Kaleidoは自前のスクリプトやテンプレートをはるかに超えたソリュー、開発サイクルを大幅にスピードアップし、運用コストを飛躍的に向上させる。」(Kaleido プレスリリースより)

 

 

ConsenSysのプロダクト

 

これまでも業界のリーディングカンパニーとしてConsenSysは数多くのブロックチェ―ンサービスをリリースしてきた。

 

【Chainlink】

ブロックチェーンと外部のシステムを仲介するソフトウェア。ブロックチェーン上でスマートコントラクトを作る際、契約内容によっては、外部のシステムないし、情報を用いる必要がある。Chainlinkは、ブロックチェーン上の情報と外部の情報をつなぐ機能を持つ。

 

【Uport】

ブロックチェーン上で本人認証を行うシステム。従来、インターネット上で自分が何ものであるかを証明するためには、個人情報を政府、もしくはGAFAなどの大企業による認証と管理が必要だったが、身分証明と個人情報の管理を第三者の仲介なしに行うためには、ブロックチェーンは大きな可能性を秘めている。ユーザーはuPortを用いれる事で、個人情報をブロックチェーン上で、一元的に管理してあらゆるウェブサービスにアクセスする事が可能となる。

 

【OpenLaw】

法律に準拠した契約書のテンプレートとXMLを用いる事により、自動で契約の作成、管理、実行が出来るスマートコントラクトのサービス。

 

 

【Balan3】

ブロックチェーン上で利用できる三式簿記会計プラットフォーム

 

 

業界のエコシステムを刷新するのか

 

政府データを全てブロックチェーン上に記録するドバイの”Blockchain Strategy 2020”や、スイスのツーク市のID認証プロジェクトなど、政府機関系のプロジェクトにも参画している事で知られるConsenSysだが、先日、日本の新生銀行とブロックチェーン技術活用に関する基本合意に関する覚書を締結した事を発表した事でも話題となった。

 

 

これまでブロックチェーンの業界は小人数のスタートアップによるプロジェクトにより形成されてきたが、今後彼らのようなビッグプレイヤーが業界のエコシステムを刷新していくのかも知れない。