ビットコインは銀行を必要としない通貨の青写真かそれとも新たなる投機的なピラミッドスキームなのか。
2008年、リーマンショックとそれに続く世界的金融危機の後にサトシ・ナカモトと名乗る匿名の人物によりBitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash Systemと題された論文が投稿され、それに共感する不特定多数の技術者たちにより開発がすすめられた、、、
とここまでは広く知られている事だが日本ではビットコインや仮想通貨の投機的側面ばかりが先行し、ビットコインの持つ社会的意義やイデオロギーについて詳しく語られる事は少ない。
「既存の金融システムは債権と債務に基づくシステムであり仲介者である銀行が全てを支配しており、そのシステムの中にいる限り私達は彼らの奴隷です。ビットコインは個人のオーナーシップに基づくシステムであり、誰も監視できず、誰もコントロールできないシステムです。」 アンドレス・アントノポウロス
サトシ・ナカモトが提案した「銀行等の第三者の信用に依存しないP2Pの電子取引のシステム」は何故多くのリバタリアンを惹きつけたのか。それが如何に重要で破壊的なイノベーションなのだろうか。
2015年VPRO Documentaryの制作したBitcoin Gospelでは仮想通貨業界の黎明期を牽引したキーパーソン達のインタビューを元にビットコインが生まれた経緯とビットコインの社会的意義について詳しく描かれている最も重要なドキュメンタリーフィルムだ。
強い信念を元に業界を牽引してきた彼らの言葉は強い説得力を持つ。中でも日本で馴染みの深いBitcoin.com CEOのロジャー・ヴィアの説くビットコインの持つイデオロギーはシンプルかつ力強く圧倒されるものがある。
「中世の時代、政教分離を唱えた人々は異端として処刑されていましたが、今では制j協分離は当たり前の事です。今日、政府と貨幣は分離すべきと言ったら過激に聞こえるかもしれませんが2、30年後には当たり前になっていると思います。」
ロジャー・ヴィア
ビットコインの発行枚数は2100万枚と供給量が制限されている(Limited Supply)事の本当の意味や銀行に預ける事なく自分で資産をコントロールする事が秘める力。Bitcoin Gospelを観た後にあなたはこれらに強い臨場感を覚える事だろう。