用語解説

ア行

【アトミック・スワップ】

取引所などの第三者を介さずにコインの交換を行う技術。ビットコイン、ライトコイン、vertcoin、viacoin、Dered間で成功している。また2017年10月にはビットコインとイーサリウム間でも成功している。

【アービトラージ(裁定取引)】

ある商品が取引所間やマーケットの中で一時的に価格差が生じた際に、割高な方を売り、割安な方を買い、その後価格差が縮小した時に反対の売買を行う事で利益を得る手法。未成熟な仮想通貨の市場では取引所間で価格差が生じやすい。

【オラクル問題】

オラクルとはブロックチェーンの外部の情報を内部に移行するシステム。スマートコントラクトをプログラムする際には天気の情報やサッカーの試合結果などの外部の情報をブロックチェーン内に移行する必要がある。オラクルはスマートコントラクトを実社会に導入する上で重要だが、外部の情報の正当性について合意を得るのが困難。
(参考:ブロックチェーンの不都合な真実「オラクル問題のジレンマ」

サ行

【スマートコントラクト】

価値の保存と移動のプロセスを自動化した契約

 

タ行

【DAO(Distributed Autonomous Organization:分散型自律組織)】

DAO(分散型自律組織)のコンセプトは仮想通貨において度々語られる。人治によらないプロトコルの支配による組織の構築は中央集権を嫌悪する仮想通貨業界において最も重要な課題の一つ。DAOstackのように分散型自律組織構築のためのプラットフォームも登場して来ている。

 

ハ行

【プルーフ・オブ・ワーク(PoW)】

プルーフ・オブ・ワークはコンセンサス・アルゴリズム(同意形成の仕組み)の一つ。中央管理者がいないP2Pのネットワークにおいて何に発言権を与えるかという問題がある。プルーフ・オブ・ワークは処理した仕事量に応じて発言権を与えるというアルゴリズムだ。ビットコインの場合はハッシュ計算という膨大な量の計算量を要する処理に対してより多くの計算量(CPUパワー)を割いたものに対して発言権を与える仕組みをとっている。ビットコインでいう発言権とは取引履歴をまとめて新たに帳簿(ブロック)をネットワークに追加する権利の事を言う。ビットコインにおけるマイニングとはこのハッシュ計算を意味し、世界中のマイナーは帳簿を追加する権利を得るために競い合って膨大な量のCPUリソースをビットコインネットワークに投入する。

【プルーフ・オブ・ステーク(PoS)】

コンセンサス・アルゴリズム(同意形成の仕組み)の一つ。
プルーフ・オブ・ワーク(PoW)にはネットワーク維持のために膨大な電気代がかかる事、経済力のある一部のマイナーに権力が集中するという問題があった。PoSはその仮想通貨のトークンを保持する量に応じて権力を与えるという仕組みだ。これだけだと最も資本力のあるものに権力が集中してしまうため。トークンを保持した年数を評価基準にいれる、ランダム化する、最も効率的なブロック(新しい帳簿)を評価するといった仕組みを複合したアルゴリズムが提唱されている。

【P2P(ピアツーピア)】

ネットワーク内においてサーバーを介さず直接個人同士がつながる仕組み。ビットコインを始めとする中央集権のない分散化されたネットワークにおいては台帳の情報は中央サーバーが一元的に管理するのではなくネットワークに参加するものが分散化して管理する。仮想通貨においてはひとつのサーバーがダウンして情報が棄損するといったセキュリティ上の問題を回避できるという長所の他に、非中央集権というイデオロギーの側面がある。

マ行

【マイニング】

ビットコインのような分散化されたネットワークにおいては中央の管理者がいないため世界中の有志が分担して取引を記録し、整合性を確認する。この作業をマイニングと呼びこの作業を行うものをマイナーと呼ぶ。この作業の見返りとしてマイナーはビットコインを報酬として得る。整合性の確認をするためには膨大な量のハッシュパワー(CPUパワー)が必要となるため世界中のマイナーは競って設備投資をする。

ラ行

【ライトニングネットワーク】

ブロックチェーンは同時に大量の取引を処理できないという欠点を持つ。そのためブロックチェーンのネットワークが大きくなると処理速度が遅延するという根本的な問題を抱えている(スケーラビリティ問題)。ライトニングネットワークはビットコインのスケーラビリティ問題を解決すべく開発されたセカンドレイヤーでユーザー間のトランザクション処理をブロックチェーン上で行わず、結果のみをブロックチェーンに記録するというもの。